俺は茜さんの事もあり、かなり待たせてしまったと焦っていた。 あの年配の運転手には角を曲がったところで待ってもらっている。 マンションのエントランスを出ると茜さんの姿はもうなかった。 さっきの苦い思いが口の中をざらつかせるように後味の悪さを残した。 曲がり角まできたところで、
キィーッ
とブレーキ音がしたかと思ったらいきなり俺の横に黒塗りの大きなバンが急停車した。 一瞬驚いて立ち竦んむと突然助手席のドアが開き、何故か行く手を阻まれた。 慌てて退こうとするとそのドアからサングラスの大男が現れて、素早く後ろから羽交い絞めにされた。 「なっ!」 抵抗も反撃もする暇もなく、そのままハンカチで鼻と口を塞がれて意識がどんどん遠のいていく。 やがて体が持ち上げられたようなフワリとした感覚だけを残しブラックアウトした。 鼻をつく湿ったカビ臭さと遠く聞こえる金属音のような羽音。 俺は徐々に覚醒していった。 ここ‥は? あったま いてぇー
クラクラする頭を振りながら、現状を把握しようと辺りの様子を窺う。 次第にぼんやりした視界も回復し、ぶれていた焦点も合ってきた。 冷たい床はコンクリートの剥き出しのままで、少し埃っぽい。 目の前には規則正しく積み上げられた木箱の山。 なにかの荷のようだ。 側面に表示しているラベルには‥破れかかっていたり文字もかなり小さ目だが、『中華人民共和国‥』と書いてある。
中国からの荷? て、ここは何処だ。
それより先程から耳障りな羽音はどうやら換気扇らしい。 窓もない密閉された空間の中、その換気扇が用をなしているとは思えなかった。 豆電球の灯りだけのようで辺りは薄暗く、目の前のパイプ椅子に座る派手なシャツのガタイの良い男が目に入った。 男は自分の吐く紫煙の行方を追って上方をじっと眺めている。 ふと、身じろぐ俺に気付き目線がかち合った。 すると椅子からゆっくり立ち上がり、カツン、カツンとコンクリートの床に靴音を響かせて近づいてきた。 辺りに共鳴させて鳴り響く靴音からして、どうやらかなり広い空間らしい。 もしかして倉庫?‥かもしれない。
「よお! 気が付いたかぁー」 見知らぬ男は俺の顔を覗き込むようにして声をかけてきた。 「っ‥‥!」 一瞬体が強張る。 男は海坊主のような風体で、側で見るとその山のようなガタイに思わず息を呑む。 口調といい凶悪な人相といい俗に言うその筋の人間にしか見えない。 まだ思考が鈍く本調子ではないものの只ならぬ状況なのは肌で感じた。 すると遠くで耳障りな金属音させ鉄製の扉が開くと、遠くからコツコツと新たな靴音か近づいてきた。 「どうだようすは?」 また別の男が俺の様子を窺う。 「どうやら気が付いたみたいですぜ」 スーツ姿のサングラスの男は海坊主より少し小柄だが、それでも一般人から見ればスーツの下は鍛え上げられた肉体が窺える。 話ぶりからどうやら海坊主より力関係は上のようだ。 黙って様子をうかがっていると、 「あぅっ!」 いきなり海坊主に髪の毛を持ち上げられ、俺は堪らず呻き声を漏らすとそのまま顔が見えるように上向かされた。 「いてぇーか? 坊主!」 「んんっ!」 頭を振って男の手を振り払おうとして、逆にもっと高く持ち上げられてしまった。 「あ‥‥くっぅぅう!」 「ガキがなに抵抗してだよぉ! おらぁっ!」 すかさず、サングラスの男がたしなめる。 「おい! 手荒なまねはよせ! 売り物だぞ!」 売り物! って‥‥ 俺の事? 人身売買? 俺、売り飛ばされるのか?
「なぁ〜 兄貴、今回も味見させてもらえるんっすよね」 「そうガッつくなって!」 「そういったって! いままでにない上物だ! 俺さっきから『ちんぽ』の先が疼きまくりでたまんねぇんだけど」 そういうと海坊主は俺の唇をペロリっと舐めた。 ぞわっと背筋に悪寒が走る。思わず眉間に皺を寄せながら顔を反らすとすぐ顎をつかまれて、 「うほぉ〜、なにこれ‥柔らかくて下手な姉ちゃんよりいいぜ」 「んんっ んっ」 男はあろう事か俺の唇を貪るように吸い上げてきた。 ヤニ臭い唾液が唇にまとわり付く。 派手にチュパッチュパッと音を立て、執拗に吸って舌を捻じ込もうとするのを唇を噛み締めて阻止する。 すると、 「なにをしている」 と広い倉庫の中を木霊するように怒鳴り声が辺り一面鳴り響いた。
えっ! この声‥‥まさかっ!
「薄汚い手で触るな!」 俺はすぐに解放され、床にゆっくり降ろされる。 男達はすくみ上がって奴が辿りつくまで微動だもしない。 派手に靴音を鳴らしながら足早に近づくと俺の唇を貪っていた海坊主に向けて、持っていたステッキのようなもので、顔面を叩きつける。 ガタイがいいとはいえ、さすがに堪えたらしく海坊主は顔を抑えながら床にくずれ落ちた。 「誰が触れていいと言った」 底意地の悪い狡猾な人を見下したような物言い。
紛れもなく‥‥笹倉だ‥‥。
「す‥すみません」 サングラスの男が慌てて謝る。 「笹倉さん‥いつもの扱いだとばかり」 「ばかな! 売り物ではないわっ!」 「え‥っ!」 サングラスで隠れていても男が動揺しているのが分った。 「で、でもいつものルートで輸送しろと」 「これは私用だ」 その返事に男は一変して口角を上げ、ニヤリとほくそ笑んだ。 「よーくわかりやした。あちらで囲われるんですね」 「ふん‥日本では色々とやっかいなんでな」 いささか憤慨しながら吐き捨てるように口にする。 「それとその汚らしいものを抓み出せ!」 「は、はい」 「おい! 出るぞ!」 相変らず顔面を押さえたままの海坊主の腕を抱え、出口へ促す。 「それと村山! 暫らくここへは誰も入れるな! あとその汚らしいものの始末はお前に任せる」 「はい‥どうかご勘弁下さい。骨の髄までよーく分らせておきやすんで」 「‥じゃあ‥ごゆっくり」 意味深にそう言うとサングラスの男は海坊主のケツを蹴りながら鉄製の扉から出て行った。
「ゆかり‥」 奴の手が俺の頬に触れ、思わず体をビクつかせる。 俺も仕置きされるのだろうか‥‥。あんな事したんだもの。 あのバラの匂いで埋め尽くされたホテルの一室が脳裏に浮かんだ。
あまりの恐怖に‥‥頭が真っ白になっていく。
「震えているね‥怖い?」 「‥‥!」 「大人しく待っててっていったのにね‥‥悪い子だ」 「部屋に帰って‥‥バスルームからクローゼットからあちこち探したんだよ。かなり部屋の中が酷い事になったんで、後始末が大変だったよ」 「まぁーいい、ゆかりは裏切れない事は分ってるからね。無理矢理連れ出されたんだろ? あいつにそそのかされて‥」 「ゆかり?‥ふふふっ やはり可愛いなぁ〜」 思考がすでに停止しているのか、奴の薄ら笑いの顔だけが目の前で揺れていた。 カチャリっとする音で、今何をされたか気付く。 奴は俺の両手に手錠をかけた。 「あーあ、下衆な奴め! ゆかりの唇がすっかり汚れてしまったじゃないか‥」 そういうとさっきの海坊主以上にねっとりと唇を嘗め回すが、 「ペッ なんだ! このヤニ臭さはっ!」 唾を吐き棄てるように飛ばし怒りを顕にする。 「仕置きだけじゃなく、奴のここをいっそ焼き切ってしまうか‥私のお気に入りにこんな事をしたんだからねぇ〜」 そう口にしながら、俺の股間に手を這わせる。 俺は思わず、恐怖に震撼した。
「ゆかり‥私の舌を舐めなさい」 なにを思ったのか奴は口づけを諦め、目の前に自分の舌を差し出してきた。 「‥‥」 体が強張って直ぐに反応できずにいると、 「どうした? このまま待たせるのか?」 恐怖に縛られた心は奴に抵抗する事なく、言われるままに舌を絡ませた。 「もっと‥上手くしないとお仕置きだよ」 俺は奴がやるようにねっとりと舌を絡め、嚥下できない唾液が床に滴って落ちる。 「あぁー 生意気なゆかりも好きだが、恐怖する顔もそそられる」 そういうと頬を両手で包み込まれ、そのままディープなキスに移行した。 「んん‥っ、ん‥っ」 息継ぎが出来ず、喘ぎながら唇をずらすと奴の唇がそれは許さないというように後を追って執拗に塞がれる。 「もう‥誰にも邪魔させない。私だけのものだ。ゆかり‥愛しているよ」 「ん‥っ、う‥っ」 ゆっくり首筋に奴の唇を這わされ、俺は唇を噛み締めるとその悍ましい感触をやり過すように目を瞑り体を強張らせた。 「そんなに怖がらないで、ちゃんと言う事を聞けば酷い事はしない」 奴の指が俺のシャツのボタンを一つづつ外していくのがわかった。 シャツの前がはだけると、すかさず指の先が俺の胸の突起を探し当ててくる。 両胸の尖りは指先でつままれて、痛みで顔が歪む。 「ぁう!‥っ!」 「もうこんなにしてっ」 突起は柔かい粘膜につつまれ、奴の舌で転がされ、吸い上げられた。 股間に甘い痺れが走る。 情けない事に感じたくもないのに、理性がいう事を効かない。 そんな俺の様子に気付き、 「ここもそろそろ感じているようだね」 制服のズボンの上から股間の辺りを撫で回される。 カチャカチャとベルトを外す音の後、そろりと下着の中に手を入れられ徐々に反応しつつあるそこは奴の手に包まれた。 「ここも可愛い‥」 そういうと手で揉まれ俺を煽る。 「や、やめっ‥くぅ‥っ」と体を左右に揺すり、ささやかな抵抗を試みた。 すると奴の巧みな手淫をもってしても、恐怖からか俺のそれは中々反応しきれないようだ。 「‥‥仕方ないですね」 俺は両手を手錠で戒められたまま、さっきの海坊主がいたパイプ椅子のあった所まで連れて行かれた。 先ほどは暗くてよく見えなかったが、椅子の奥に事務机が備えつけてあった。 どこにつながっているのか電話もある。 奴は机の引き出しの鍵を開けると中から何かを取り出した。 「まだ残っていたようですね‥ゆかりこれで気持ちよくなりますよ」 そういうと俺を机にうつ伏せに押し倒した。 「なっ!」 「少し‥我慢して貰いますよ」 下着もろともズボンを下ろされ、すっかり顕になった双丘はつんのめった状態だから奴には丸見えだ。 クチャリッと卑猥な音とともに俺の秘所部分に指を差し込まれる。 湿った指をなんなく飲み込んで、液体のようなものが塗り込まれる。 「‥っ、なに? なにしてんだよっ!」 声を出す余裕もなかった俺だが、この畏怖には耐えられず思わず怒鳴り散らした。 「秘薬ですよ。すぐに私のものが欲しくて堪らなくなりますよ。ゆかりの口からおねだりしてもらえると思うとゾクゾクしますね。私の方が堪らなくなりそうですよ」 「ん‥っ、なわけあるか!」 「うふふふ‥可愛いぃ ゆかりは怒ると頬を高揚させて、目元が可愛く寄って唇をぷっくり尖らせるんですよ。知ってましたか? だからつい構いたくなる」 「しるかっ!」
「ん‥すぐには効かないようだな‥なにかおしゃべりでもしましょうか」 「‥‥」 「そうそう、店で預かっていたゆかりの学生証は手元に戻りましたか?」 学生証であの後味の悪い感じを思い出した。 「‥っ!」 「どうやら茜が、ちゃんと言付けたようですね」 「‥‥やっぱり茜さんだったんだ」 「ん?‥なにがやっぱりなんですか?」 「とぼけるなっ! 『紫』の事知ってる茜さんがあんたの言う利害の一致した店の子なんだろう?!」 この後に及んでシラを切る笹倉に業を煮やして問い詰める。 「ああ‥‥それが茜だというんですか?」 うつ伏せになったままなので奴の顔色を窺うことが出来ない。 たが奴の言葉でどうも的外れだったと分かり俺は疑心暗鬼に聞き返した。 「違うのか?!」 「残念ながら‥‥」 「そうですか茜は知っていたんですね。『紫』が翔くんだと‥」 「な‥っ、じゃあなんで俺のもの言付けたんだよっ! 知ってたからだろっ!」 「私が返す予定だったんですよ。あんな事さえなければ‥しっかり忘れてましてね。店から連絡があったんですが、面倒だったので茜に『紫』の私物だからママにでも返しておいてくれと頼んだんですよ」 と笹倉は忌々しそうに真相を話した。 「‥‥茜さんじゃないんだ?‥え、じゃあ‥誰?」 「いずれ分る事ですよ‥あちらに行けばその必要もないですが」
はんっ! 共謀者なんて初めからいなかったんだろっ!
それより気になる最後の言葉を反芻し問い質した。 「あちらって? あんた俺どうするつもりなんだっ? どこ連れていくんだよ!」 「香港です‥私は表向きは企業家ですが、代々受け継いだ裏の商売がありましてね‥我が一族が満州時代築き上げた商いを代々受け継いできたわけです」 「戦後は上海の方へ拠点を変えて、そののち香港のシンジケートと手を結び、商いを面々と継承して我が一族に莫大な資金を提供してきた訳です」 香港のシンジケートや継承とか得体の知れない話に俺は恐怖しながらもその先を促した。 「商い‥って?!」 「ありとあらゆる闇の商売です。香港には娼館がいくつかあります。ゆかりはその中の男娼の館に連れていきます」 「男娼って‥‥俺を?!」 「勘違いしないで下さい。さっき村山の言ったいつもの連中とは違いますから」 「いつもの連中って! 俺とは違うってどういうことだよ?!」 「日本からも目ぼしい少年少女を送り込んでいるんですよ。いつも村山達がその手配をしているんですが‥‥私の説明不足で、奴らが勘違いしたようです。あなたは男娼ではなく、私個人の男妾として移り住んでもらいます。旅券もビザもない非合法ですがね」 「そんな事出来る訳ないだろっ‥俺がいなくなったら兄貴だって黙っちゃいない」 ああっっ 体が熱い! 変だ‥なんか焼けるようだ 俺は異常な喉に渇きに生唾を飲み込む。 「そうですね大騒ぎになるでしょうね‥確かに暫らくは私の周りも煩くなるでしょう。あの男もいるし‥それに『バカンス』のママの後ろ盾の会長も厄介ですね」 「まぁ〜、打つ手はいくらでもありますから‥ゆかりさえこちらの手中にあれば‥どうです? そろそろ効いてきたんじゃないですか?」 奴の指が下着の中へと進入し、俺の秘所を探り充てる。 「あぅっ!」 全身を電流のように痺れが走り、体を反らせる。 額に滲み出てた汗が頬を伝って顎から滴り落ちる。
なんなんだよ! これっ! どうにかしろよっ!
「ほら、もう簡単に挿入できそうですよ」 奴の指が俺の中でうごめき始める。 「あぁ‥っ、ん‥っ」 「ここですか? 感じるんでしょ」
くそっ! 熱くて‥頭が変になる!
「う‥っあぁぁ‥いや‥っ、だめ‥っ」 「あぁぁ‥ゆかり可愛いぃ声、たまりませんね‥もう我慢できそうにない」 指の数が増えたのか多少の違和感があるものの秘薬によるものかその部分は麻痺して鈍い感覚だけが僅かに残った。 その畏怖の念より得たいの知れない痺れが体中の毛細血管をざわざわと這いずり回る。 やがてベルトを外す音を耳にしたかと思ったら、 「う‥っ、ああぁぁぁぁ‥っ!」 いきなり指等と生易しいものでない太い楔に貫かれた。 「あぁー た、たまりません!」 笹倉が歓喜に声を裏返らせる。 俺の意思など関係なくその刺激に感覚が全開したように快感が走った。 やがて俺は規則正しい律動に体を揺さぶられ始める。 「ぁあ〜ゆかりの中は本当に気持ちがいい‥蕩けるようです。どうです、ゆかりも感じてる?」 「‥‥」 俺は体中の熱を制御できなくて、ひたすらやり過すのに躍起になっていると、 「返事をしないと抜きますよ」 言い終わらないうちに奴の楔が俺の中から抜けていく。 その空洞たるや欲して止まない渇望が一気に押し寄せて、俺の別の人格が狂い出す。 「ぁう‥っ、だ、だめっ!」 「どうして欲しいか口にしなさい。そうしないとあげませんよ‥欲しいんでしょ?」 「入れてっ!」 「駄目です。ちゃんとおねだりしなくちゃ。ゆかりの可愛い声で‥ほら」 奴は俺の耳元で悪魔の囁きを聞かせる。 「‥‥」 俺は屈辱に思わず唇を噛む。 「ほら、今教えたように‥でないとこのままですよ」 「っ‥‥俺の蕾にあなたの大きなのを入れて‥おねがい!」 もうお終いだ! もう‥理性のタガが外れてしまった。
「可愛いぃ〜ですよ‥よく言えましたね‥ほらあげますよ」 「あぁ‥っ、あ‥っ‥ぁん」 一気に貫かれればそこに熱が集中し、膨張する。 快楽の渦に翻弄され、人間らしい理性もなく淫獣のように貪りつくす。 快感だけが俺の思考を支配した。 相手があの嫌悪する笹倉であっても、今ならあの海坊主でさえ同じかも知れない。 「ゆかりのもトロトロじゃないですか‥ほら、ここも構ってあげますよ」 奴の手淫で俺はあっというまに欲望を吐き出させ、一瞬だが言い様のない開放感を味わった。 「ゆかり‥ゆかり‥ぁあ‥ゆかりっ」 程なく奴は、ぐっと腰を押し付けて絶頂へと向かった。
だめだ! 熱が‥‥逃げない! どうしたってんだよっ! 俺は体を小刻みに震えさせながら、 「あ、ぁぁぁ‥だめっ、もっと」 と自分でも信じられない言葉を口にして強請った。 「おねだりですか‥いいですよ 何度でも」 これ以上の屈辱はないと頭では分かっているのに体が、理性がいうことを利かない。 奴の嘲笑する顔が見えるようだ。 「あぁ〜、ゆかりの中は本当に‥」 「なんなんでしょうか‥入り口が私を離さないと程よく締め付けて、中へと吸い寄せてくる」 「ゆかりの中にずっといたい‥こんなに‥気持ちになったのは初めてですよ」 「は、はやく‥ついて!」 「こんなに私を欲しがるなんて‥‥ふふふ、なんて厭らしい子だ」 と罵倒しながらも奴は俺の中で欲望を吐き出したばかりなのにもう嵩を増している。 「ほら! ゆかりっ‥いい‥で・す・かっ!」 そしてその肉某がさっき以上に乱暴にかき回す。 「あん‥っ、あ‥っ、あぁ‥っん‥もっと!」 渇望しきった俺の秘所はその律動に震える程の快感を与えられ、喘ぎが漏れる。 「ぁあ‥これ以上煽らないで‥く‥っ、たま‥らな‥い」 俺の浅ましい艶声が倉庫の中を鳴り響く。 やがて奴は再び絶頂をむかえ、俺の中に欲望を注ぎ込む。 俺の双丘の蕾はその醜悪なものを吐き出すように引きつかせ、内腿へと滴っていく。 やがて快感と引き換えに得たいの知れない熱は静まっていった。
「ゆかり‥‥こんな異臭のする中であなたを抱くなんて本意ではなかったんですが」 奴は肩で息する俺の背中に頬をおしつけ、 「次はきっと満足するシチュエーションにしますから‥」 「ゆかり‥愛してます」 奴のその言葉を最後に俺の意識が薄れ始めた。
「村中! あと‥む‥‥じゃ‥から」
奴の声が遠く聞こえる。 とうとう、笹倉を受け入れてしまった。 浅ましく、情けない今の姿を自覚する術さえない。 後に残る疲れきった肢体を支えきれずそのままに床に崩れ落ちた。
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