「 どこまで送ればいい?」 「えっ?」 覚悟していただけに、行き成り自宅住所を聞かれ予想外の展開に面食らった。 「通例じゃあ、どこかのラウンジで軽く一杯か食事なんだろうが‥生憎これから仕事でね。残念だろうが‥」
全然残念じゃねぇーよ バーカ
「とんでもない、気にしないで下さい。それじゃあー汐留までお願いします」 取り越し苦労だと分かり、なんだか肩の力が一気に抜けた感じで気楽な気分で応えた。 「汐留ねぇ〜 もしかして最近出来た高層マンション?」 「そ、そう! よくご存知ですね」 咄嗟にでたのは高校の同級生の自宅エリア。 た・だ・し高層マンションなんて知らない‥。 まぁー、マンションくらいあるだろうと俺は高を括っていた。 だが奴はどこか意地悪く目を細めると、 「ほぉー」 俺の嘘を見抜くような含み笑いがまた感に触った。 車は繁華街を抜けて、狭い道に入って行く。 ポツポツと暗闇に点在しているのは夜のビル街に人の気配を示す明かりだ。 やがて車は真っ暗い道路脇に停車した。 それらしい建物ものもない閑散として暗闇に俺は一瞬身構える。 「‥‥」 なんでこんな所で停車したのかと文句を言おうとしたら、、 「あなたの言っていた麻布の高級マンションですよ、違いましたか?」 と先に藤堂から言われ、改めて車窓から外を眺めた。 目の前に見える風景の中に確かにそれらしい建物はある。 ただし街の明かりで微かにその姿を見せる無人の高層マンションだった。 「ええっと‥ここじゃないみたい」 咄嗟にでた嘘の上塗りとでもいうのか。こうなると嘘を付き通すしかない。 だが奴はその返事を待っていたと言わんばかりに、 「ここらで高層マンションといえばここだけだが‥君のいうマンションはどこにあるのかな‥」 と、得意満面な顔で俺に詰め寄った。 「っ!」 反論もできず、奴の策略にまんまと嵌ってしまった事に思わず歯がみする。 あの含み笑いはこうなることを予想してのことだったんだ。 奴はさらにママの注意事項をそのまま口にした。 「住んでるところを教えないと言うのは水商売のセオリーだ。だろ?」 「‥‥」 ぐうの音もでない。俺を笑い者にするかのように意地悪く口角が上がるのが分かる。 「ちなみにこのマンションに入居出来るのは半年後だ。我が社の物件でね。残念ながら全室完売だ。いや‥最上階 のペントハウスは今、外資系の会社の重役と交渉中だったかな。君が入居希望なら便宜を図ってもいいが‥」 はっきり語尾に侮蔑の意図が見える。 違ったと言ってるのにこれ見よがしに建物の詳細説明かよっ!
性格悪過ぎ! もしかして ド・S?!
「へぇー、便宜を図るってどういう? 住みたいって言ったらプレゼントでもしてくれるの? でも高いんですよ ねぇ?」 と、俺はやられっぱなしではおくものかと反撃に出た。 「‥12億だ!」 奴は苦笑した後に掃き捨てるように値段を提示した。 「まあ〜 すごィィ! プレゼントしてなんて言ってごめんなさい〜」 わざと大袈裟に驚いて見せる。 「当たり前だ! 君にプレゼントする謂れは無い」 ここまで冷静沈着だった男が、珍しく怒りの感情を露にした。
へぇ〜 なにがお気に召さなかったのかな? お坊ちゃま! なんか面白いかも。
俺は益々調子に乗って奴を挑発した。 「ですよねぇ〜 でも一度は住んでみたいかも‥眺め最高なんでしょう?!」 「そうだな‥確かに景色がウリだからな」 忌々しく思いながらも何故か俺の質問に応える。 「そうだ! ママみたいにパトロン見つけてお願いしてみよっかな! それまで取り置きってできますう?!‥」 「‥っ!」
おおっ! 軽蔑の眼差しマックスだぜ!
一連の嫌味の数々に対して反撃もできず、苦渋の連続だったがここにきて溜飲が下がるというものだ。 ざま〜みろっと舌を出したい気分だった。 だが、カチッと奴のシートベルトが外される音の後、いきなり俺のシートが倒された。 「なっ!」 慌てて起き上がろうとする前に奴が上から覆いかぶさる。 すぐ奴の体を払い除けようと両手で胸板を押した。 だがその手は奴の左手で一つに束ねられ、頭上で釘付けにされた。 俺の身体は自らのシートベルトで身動きが取れず、足で蹴り上げようにも長いドレスの裾を踏み付けられていて は無理。 おまけにママから聞いた例のレイプ事件が頭をかすめ、一瞬怯んでしまった。 その隙に完全に押さえ込まれ‥情けない格好になった。
ちょっ! なっ、んなんだよ!
「は 離せ!」 唯一、自由な口で怒鳴った。 「相当なじゃじゃ馬だな! 飼いならし甲斐がある」 「なっ! 飼いならすってなんだよぉ!」 「私がパトロンになってやろうというんだ! 大人しくしろっ!」 「だ 誰が! お前なんか! うっ、んん‥」 とうとうその口も塞がれてしまった。 「‥っ ぁっ‥んんっ」 真一文字に閉じた唇は鼻を塞がれ、あっけなく息苦しさから開かれた。 すかさず、奴の舌が侵入してきた。 やめろ! 洒落になんねぇーって!
口蓋を舐められ、俺の舌を絡めとり吸い上げる。 頭の芯まで痺れる感覚。 つづけて上下の唇を甘噛みされてはひとたまりもない。 奴の手練に十代の俺はあっけなく陥落した。 チュクチュクと唾液の絡む淫猥な音。 お互いの息遣いが荒くなるにつれ、俺の中心部も熱をはらむ。 「やっ、それ‥だめっ!」 「なにがだめ‥なんだ」 耳朶を掠める低音で容赦なく攻め立てる。 熱の中心部を知られたくなくて足を交差させて誤魔化そうと身じろいだ。 だがそれは直ぐ阻止され、サテンのドレスの上から捕らえられた。 「ぁあー、くぅっ」 「いやじゃないだろっ こんなにして」 少しなぞられただけで熱は一気に膨張する。 くそっ! くそっ!
悔しくて‥思わず両目から雫が零れ落ちる。 それは溢れて止まらない。
「‥泣き顔が‥たまらないな」 「うっ くっ‥」 「綺麗な顔が台無しだ‥だが‥もっと泣かせたくなる」 そういうとドレスがあっという間にたくし上げられ、慣れないパンストを嫌がった為、素足が露になった。 「なんだ! 用意がいいじゃないか」 「くそっ やめろっていっ!」 一瞬奴の左手が怯んだ隙に抵抗しようと身体を捩ったのだが、逆に後ろでに捕らわれ、 「若いな‥いい加減あきらめろよ」 「ふざけんなっ! 離せっ」 と無駄だと分かっていても逃れようと身体を揺さぶる。 耳元でシュッという音がしたかと思ったらあっという間に奴のネクタイで戒められてしまった。 両手首を後ろで縛られ、横倒しのまま抱き込まれた。 両手が自由になった奴は更にドレスをたくし上げ、生足どころか下着まで丸見えにされた。 Tバックの下着は僅かな部分のみ隠して白い双丘の柔肌が晒された。 「いい眺めだ、ホントに男なのか?」
マジやめろって! このままオカマ掘られるのかよ! 冗談じゃねぇぞ
幸いと言っていいのか集団レイプだけは免れそうだが‥。 太ももあたりを撫でられ、一番柔らかな内股に口づけされる。 「あっ いってぇー」 チリッとした痛みが走る。どうやら強く吸われて鬱血したようだ。
っんなとこキスマークなんかつけてんじゃねぇよ! このド変態!
俺の中心部は膨張しきって、その疼きで頭が変になりそうだった。 奴はわざとそれには手も触れず、露になった双丘を舌先で辿る。 散々焦らされて、俺は我慢しきれずに 「んなっ! ちまちまやってねぇで、さっさとやれよ!」 「随分顔に似合わない暴言だな‥」 奴はクスリと笑うと俺の熟れ過ぎてはち切れんばかりのそれを指で弾いた。 「あぅっ!」 「そんなに‥我慢できないか‥ん?」 「‥‥」 「なんだ、返事もできないか‥ふふ」 奴の馬鹿にしているのは語尾で分かるが、後ろ向きでは睨みつける事もできない。
くぅぅぅぅ なさけねぇ‥。
そして奴の手を借りる事なく、既に限界を超えた俺のものはとろとろと蜜を溢れさせ、黒のTバックの唯一の部分を濡らし広がっていく。 「‥焦らせ過ぎたか」 そういうと奴はTバックをずらして俺のものを手の内にする。 「ぁああ‥」 その衝撃に思わず恥ずかしくなるような嬌声を発し、体を仰け反らせた。 そのまま仰向けにされ、そして一気に柔らい粘膜に覆われた。 奴の口に含まれたのが分かった。
うっそ! マジ!
そう思った瞬間、体中の血管が逆流したような痺れに襲われた。 「んっ‥んんっ‥やめっろ!」 快感で頭の芯まで疼き、体が弛緩する。
た、たまんねぇ‥
散々我慢してしていた欲望はあっという間に飛散する。 「若いな‥」 口に含んで弄ばれて、最後はどうやら奴の手の中で果てたようだ。 後始末したと思われるハンカチが無造作に足元に投げ捨てられる。
死んだ‥わ 俺‥。
情けない! なんて生やさしい言葉ではもう片付けられない。 すっかり脱力した俺は、その後戒めのネクタイが解かれた事も気付かぬまま茫然としていた。 するといつの間にか車が動きだした。
「え‥」 そのままバッグバージンも失うものと思っていた俺はある意味拍子抜けする。 「タクシーのつかまる所まででいいな?」 「‥‥」 まだ現状が分からず唖然としていると、 「なんだ‥続きをして欲しかったのか?!」 「え‥」 「生憎だな、時間がない」 と、とんでもありません‥結構でございます。
と内心で丁重に断った。 そして倒れたシートを元に戻し、ずり上がったドレスを下ろすと身繕いした。 中心部の濡れた部分の独特な匂いとともに、ヒヤッとした感触に悪寒が走る。 ドレス汚れちゃったな‥等と、どうでもいい事が頭の中に浮かんでくる。 やがて車は繁華街に舞い戻り、路上駐車中のタクシーの後ろに停車した。 俺は軽く会釈すると無言のままドアノブに手を掛けた。
これ以上口を聞きたくない。こんな奴とは一刻も早くおさらばだ。 だが二度あることは三度ある。 またしても行き成り肩に手を回され、バランスを崩した俺はそのまま座席に押し戻され、あっという間に唇を奪 われた。 軽いキスは奴を押し退ける前に上手くかわされた。 まあ〜実をいうと払い除ける気力もなかったのだが‥。 奴は不敵な笑みを浮かべながら、 「世話になったら、挨拶くらいするものだ」と忠告してきやがった。。 「‥‥」
へぇー あんたの挨拶ってキスのことですかぁ〜 と、無意味な突っ込みをした。
この反発心からかなり落ち込んでいた気持ちが少し浮上する。 そして気を取り直し車からさっさと降りると、
こんなドア、壊れちまえっ!
と、罵りながらドアを力いっぱい閉めた。 俺の子供じみた行動に奴は苦笑する。 「まだ元気がありそうだな‥そうだ、今日の埋め合わせに明日は気の効いた所を案内しよう」 と奴の行き成りの提案に、 「それはどうも‥」 俺は抑揚のない返事の後、儀礼的に頭を下げた。 明日はねぇ〜んだよ! 紫は今日で廃業! バーカ!
そう心の中で毒づくと同時に口に出せないもどかしさを噛み締めた。 車は再びエンジン音をさせ、その場を立ち去る。 やがてテールランプが他の車と交じって見えなくなった。 それから俺は前に止まっていたタクシーに乗り込み自宅の住所を告げた。
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